定点巨匠荒々しくも萌芽(2020年1月12日)

司馬・この国のかたち・遼太郎大先生の忍者モノの大代表作にして、直木賞受賞作品。つまり、出世作というヤツですな。ということは、大先生の初期の作品群に属するヤツでして・・・

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・・・全体的には荒々しくも、さすがの深い洞察、そして、後々の大先生の筆致に繋がる様々な萌芽も・・・特に「(たとえアウトローであっても)読者が愛さずにはいられない主人公」という大先生ならではキャラクター造形は、この頃から既に素晴らしい。本作では、再び天下に騒乱が起きようとも、豊臣秀吉を暗殺してオノレの存在意義を見出そうとする伊賀忍者の生き残り・・・なのに、コイツを応援したくなってしまうから不思議。脱帽です。藤沢周平大先生や池波正太郎大先生の剣豪モノに出てくる闘剣シーンの描写も素晴らしいのですが、秘術の限りを尽くしながら命のやり取りをする司馬大先生の描く忍者同士の暗闘のシーンも素晴らしい。胸が苦しくなるような重さ・暗さが、前2大先生とは一味違うカタルシスです。加えて、忍者という不思議な生き物の独特の心情・世界観が説得力十分な描かれており、コレはもう、司馬大先生唯一無二の洞察かと思われます。もっと大先生の忍者モノを読みたくなる次第でございます。

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