定点今年は新撰組(2017年9月30日)

今年の歴史小説のテーマ『新撰組』(今更かよ!)の「決定版」とも言える司馬遼太郎大先生様の渾身の一作。組メンバーの中でも超メジャーどころの土方歳三を主人公にした名作中の名作ですな。当然に上下巻とも一気に読了しました。

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・・・いやあ、久しぶりに司馬大先生を堪能しましたが、そうか、この大先生の歴史小説は、とにかく読み易いのでしたな。難解な歴史的事実を明快・簡潔に説明し、人物たちの活躍・言動も軽妙で、その個性的な情念も重過ぎにならず・・・でも、その分、主人公への感情移入が難しい。特に『上巻』では、歳三の人物像がどうにもイマイチ掴みづらく・・・

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・・・と思いきや、『下巻』に入って、一気に情感豊かな「人間の物語」へと大変貌。歳三のセリフの一つ一つが深く心に沁み入り、そのまま一気に最後まで・・・やはりヤラれた。特にクライマックスすなわち歳三の最期を描く函館での物語は、本来激しい戦いのシーンがメインの大スペクタクル・・・のはずなのに、歳三が唯一深く愛した女性との深い交流を丁寧にじっくりと描き、ああ、やはり人間の生きる物語以上の物語はないのだよなぁ・・・と感嘆平伏。大先生、さすがです。さすが過ぎます。とにかく深い。司馬大先生の描く世界が単なる「歴史小説」ではなく「人間の物語」たる所以は、こういったところにあるのでしょう。この境地には、どうやったら至れるのか・・・至れないよな、普通。では、次は『新撰組血風録』にて。

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